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『RSI(再帰的自己改善)』はAGIに代わる新キーワードか——TechCrunchが報じるAI自己進化の現在地
TechCrunchは2026年5月28日、AIが自ら弱点を見つけて自分を作り替える『RSI(再帰的自己改善)』が、AGIに代わる新たなキーワードとして広がっていると報じました。複数のスタートアップや研究者が掲げる一方、その定義や実現性には慎重論も根強いと伝えています。
TechCrunchは2026年5月28日、AIが自ら弱点を見つけて自分を作り替える「RSI(recursive self-improvement、再帰的自己改善)」が、AGI(汎用人工知能)に代わる新しいキーワードとして広がっていると報じました。複数のスタートアップや著名研究者が相次いでRSIを掲げる一方、その定義や実現性ははっきりせず、慎重な見方も根強いと伝えています。

図版: TechCrunchの報道をもとに作成(出典: TechCrunch)
RSI(再帰的自己改善)とは
TechCrunchによると、RSIが指すのは「人間の関与なしに、AIが自分の弱点を特定し、それを直すために自らを再設計していく」という考え方です。研究を着想し、実装し、検証するという一連のプロセスを、AI自身が自動で回していく姿が想定されています。
これは長らくAI研究の「聖杯(holy grail)」とされてきたテーマです。AGIという言葉が手垢のついたバズワードになりつつあるなか、より具体的に「自己改善するAI」を指すRSIが、新たな旗印として注目を集めているという構図です。
RSIを掲げる主な動き
TechCrunchは、RSIに取り組む複数の動きを紹介しています。You.comの創業者として知られるRichard Socher氏は、今月「Recursive Superintelligence」を立ち上げ、「真に再帰的で自己改善する超知能を大規模に作る」ことを目標に掲げたとされます。
ほかにも、エージェントの群れ(swarm)を使うAndrej Karpathy氏の「Auto-Research」プロジェクト、Sara Hooker氏が関わるAdaptionの「AutoScientist」、Doris Xin氏が手がけるDisarrayの取り組みなどが挙げられています。研究の自動化を起点に、最終的にはあらゆる分野の研究、さらには物理世界の探索まで自動化することを見据える動きもあると伝えられています。
「まだそこには至っていない」慎重論
一方で、TechCrunchは過熱への慎重な見方も併せて紹介しています。GoogleのSundar Pichai最高経営責任者は、業界はRSIに「まだ到達していない」と述べたとされます。
また、ジョージタウン大学の研究機関CSETのHelen Toner氏は、AIツールを研究に使うことと、本当の意味でのRSIは別物だと指摘しています。真のRSIは「人間が一切不要」であることを要件とするため、現状の「AIを道具として使う研究」とは一線を画すという整理です。
新しいキーワードは期待とともに誇張も呼び込みがちです。RSIが具体的に何を指し、どこまで実現しているのかを冷静に見極めることが、開発者にとっても重要になりそうです。バズワードの熱量と技術の実態を切り分けて追うことが、当面の付き合い方になるでしょう。
RSI is the new AGI — and it's just as hard to pin down
A new crop of AI labs are focused on recursive self-improvement — but the goal is proving elusive.