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暗い会場のステージ上で登壇者がスポットライトを浴び、観客席を埋めた多数の聴衆に向けて話しているキーノート会場の写真

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NVIDIA、GTCベルリンでJensen Huang氏が基調講演——欧州に約1兆5000億円を投じ「AIファクトリー」を加速

NVIDIAがドイツ・ベルリンで開催したGTC Berlin 2026の基調講演で、CEOのJensen Huang氏がデータセンター設計から安全なAIエージェント基盤、欧州の大手企業との提携まで幅広い発表を行いました。注目のポイントをまとめます。

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NVIDIAは現地時間21日、ドイツ・ベルリンで「GTC Berlin 2026」を開催し、CEOのJensen Huang氏が基調講演に登壇しました。3日間にわたり100以上のセッションが組まれる大規模イベントで、AIエージェント向けのインフラ設計から安全性、欧州企業との提携まで幅広い発表がまとめて行われています。NVIDIA公式ブログが講演内容を速報しました。

データセンター構築を6カ月から14日へ短縮する新リファレンス設計

目玉の一つが、Vera Rubin世代のAIファクトリーを丸ごとコンテナ化して提供する新しいリファレンス設計「NVIDIA DSX POD」です。パートナー企業があらかじめ統合・検証済みのモジュールとして構築するため、敷地のユーティリティさえ整っていれば、従来6カ月かかっていた現地導入作業を14日まで圧縮できるといいます。あわせて発表された「NVIDIA DSX AI Factory Platform」は、冷却用の水使用量を最大100%削減しつつ、消費電力を最大30%抑えながら同等のAI出力を維持できる設計だとしています。Huang氏は「AIモデルが生まれるよりずっと前に、まずインフラが存在していなければならない」と述べ、電力・AIファクトリー・モデル・アプリケーションという「5層のケーキ」構造でAI産業を説明しました。

暗い会場のステージでスポットライトを浴びながら登壇者が話し、観客席を埋めた聴衆が見守っているキーノート会場の写真

画像引用元: NVIDIA Blog

安全なAIエージェント基盤と企業向けツール群

セキュリティ面では、オープンソースでポリシー制御されたランタイム「NVIDIA OpenShell」をベースにした、カーネルレベルのサンドボックスを備える安全なAIエージェント向けリファレンスアーキテクチャが披露されました。Huang氏は「最も重要なのは、エージェントが安全であることを保証することだ」「エージェントが起動するたびに、権限は毎回異なる」と強調しています。あわせて、エージェントを企業の文書やデータベースに接続するための「NVIDIA Agent Knowledge Foundation」や、構造化データからの予測に使う新モデル群「NVIDIA Kumo」、科学・工学・研究向けの高速化ライブラリ群「NVIDIA CUDA-X」なども紹介されました。実演では、創薬企業Lila SciencesによるB細胞リンパ腫治療薬の設計や、Siemensのエアランゲン工場におけるデジタルツインでの生産ライン変更テスト、Dassault Systèmesによるエンジニアリングエージェントを使った車両設計の改良といった活用事例が取り上げられています。

L’OréalやSpotify、Porscheなど欧州大手企業との連携を拡大

NVIDIAは欧州のテクノロジーエコシステムに総額で100億ドル近くを投じ、1万2000社超のパートナーを抱えると説明しています。講演ではL’Oréal、Revolut、Spotify、Merck、Vodafone、Zara、Porsche、Nestlé、HSBCといった欧州企業の名前が協業先として挙げられたほか、通信分野ではT-MobileとNokiaがNVIDIAのネットワーク上で初の商用電話通話に成功したことも紹介されました。Huang氏が「これでCUDAが電話をかけられるようになった」と冗談めかして語った場面も講演のハイライトの一つです。自動車分野では、Volvo CarsがHyperionとAlpamayo Stackを採用したほか、Volkswagen Commercial VehiclesやJLR、Mercedes-Benzの次世代車両もHyperion対応になる予定だといいます。ロボティクス分野では、Isaac GR00T上に構築された自由度31の人型ロボット「Agile ONE SN」が来年の投入を予定しているほか、Hugging Faceが協力したロボット「Microduck」のデモでは、シミュレーション上でエージェントが訓練し、クラウドで学習したポリシーを実機に展開する様子が披露されました。

「すべての欧州企業がAI企業になる」——Huang氏の総括

Huang氏は講演の締めくくりで「誰もがエージェントを構築できる。欧州のすべての企業がAI企業になるだろう」と述べ、NVIDIAの技術基盤がAIエージェントの民主化を後押しする姿勢を改めて示しました。新製品としては、1ペタフロップスの処理性能と128GBのメモリーを備える薄型ノートPC向けの「RTX Spark」搭載機も紹介されており、2016年にOpenAIへ納入されたDGX-1と比較しても大幅な性能向上をアピールしています。Vera Rubinはすでにフル生産体制に入っており、NVIDIAのプラットフォームをAIエージェント向けのワークロード全般へと拡張する足がかりになるとみられます。GTC Berlinは23日まで開催される予定で、今後も関連発表が続く見通しです。