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中央の検索レンズの周囲に能力カードが並び、エージェントが必要な機能を探し出す概念イラスト

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エージェントが能力を「実行時に探す」時代へ——Agentic Resource Discovery仕様とHugging Faceの実装

Hugging Faceが、エージェントがツールやスキルを実行時に検索して見つけるためのオープン仕様「Agentic Resource Discovery」と、その参照実装Discoverを公開。MCPやSkillsの前段に立つ発見層を業界横断で標準化します。

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Hugging Faceは2026年6月17日、エージェントが必要な能力を実行時に検索して見つけるためのオープン仕様「Agentic Resource Discovery(ARD)」と、その参照実装である検索ツール「Discover」を公開しました。あらかじめツールを組み込んでおくのではなく、エージェントが「いま必要なもの」をその場で探し出せるようにする、発見(ディスカバリ)の層を標準化する取り組みです。

エージェントは「全部入り」では立ち行かない

エージェントに使わせたいツールやスキル、MCPサーバーが増えるほど、どれを事前に組み込むかという問題が大きくなります。すべてを最初から接続しておけば、コンテキストは膨らみ、管理も煩雑になります。かといって絞り込めば、想定外のタスクに対応できません。

ARDは、この「事前に全部入れておく」という前提そのものを崩します。エージェントが課題に直面したときに、必要な能力を実行時に検索して取り込めるようにするのが狙いです。Hugging Faceは、ARDをMCPやSkills、A2Aといった既存プロトコルの「前段に立つ発見層」と位置づけています。これらのプロトコルが「どう呼び出すか」を担うのに対し、ARDは「そもそも何があるかを見つける」役割を引き受けます。

エージェントが検索層(POST /search)を通じて、Skills・MCPサーバー・Spacesといった複数の能力をカタログとして横断検索する流れ図

画像引用元: Hugging Face Blog

仕様の中身:静的カタログと動的な検索API

ARD仕様は、大きく2つの要素で構成されます。1つは、提供する能力を記述する静的なマニフェスト形式「ai-catalog.json」です。これは、そのサービスがどんなスキルやツールを持っているかをカタログとして公開するためのフォーマットにあたります。

もう1つが、動的なレジストリAPIです。POST /searchというエンドポイントに自然言語のクエリを投げると、条件に合う能力が返ってきます。エージェントは「こういうことができるツールが欲しい」と問い合わせるだけで、フェデレーションされた複数のレジストリから候補を受け取れます。静的なカタログと動的な検索を組み合わせることで、能力の公開側と利用側をゆるやかにつなぎます。

Hugging Faceの参照実装「Discover」

Discoverは、このARDをHugging Faceが自ら実装した参照実装です。Hub上のSpacesに対する既存のセマンティック検索を土台に、Agent SkillsやMCPサーバーを横断して検索できます。検索結果は、AIスキル・MCPサーバーカード・Spaceのメタデータという3種類の形式で、ARDのカタログエントリとして返されます。

Discoverはhf CLIに組み込まれており、hf discover searchというコマンドから利用できます。コマンドラインのほか、REST APIや専用のMCPエンドポイント経由でも呼び出せるため、エージェントの実装方法を問わず、Hub上の膨大なスキルやアプリ、MCPサーバーを実行時の検索対象にできます。

業界横断の標準化として

ARDは、Hugging Face単独の取り組みではありません。仕様の策定には、Microsoft・Google・Cisco・Databricks・GitHub・GoDaddy・NVIDIA・Salesforce・ServiceNow・Snowflakeなど、業界各社が関わるドラフト仕様として進められています。エージェントの能力発見という共通の土台を、特定ベンダーに閉じない形で整えようという流れです。

同じ6月17日には、GitHubがCopilot向けに能力を自動発見する「Agent finder」を提供するなど、各社が同時期にARD関連の実装を打ち出しました。発見層を共通仕様にそろえる動きが、複数の主要プレイヤーから足並みをそろえて出てきた点が、今回の特徴です。

開発者への影響

ARDとDiscoverが示すのは、エージェント開発の関心が「どのツールを組み込むか」から「必要なツールをどう見つけさせるか」へ移りつつあるということです。能力を事前に固定しなくても、実行時に検索して取り込めるなら、エージェントはより幅広いタスクに、より軽い構成で対応できるようになります。

自前でエージェントを構築しているチームにとっては、ツールやMCPサーバーの接続を静的に持つ設計を見直すきっかけになります。まずはhf discover searchでHub上の能力を実行時検索する感触を確かめつつ、ARDという共通仕様が今後どこまで広がるかを追っておく価値があります。