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Amazon Leo、衛星396基で商用サービス開始の水準に——Starlink対抗の衛星ネットが2026年半ば提供へ前進
AmazonのStarlink対抗衛星インターネット「Amazon Leo」が、低軌道に396基の衛星を展開し初期緯度帯での継続サービスに必要な数に到達したとThe Vergeが報道。2026年半ばの商用提供という目標に沿って進んでいます。
Amazonの衛星インターネット「Amazon Leo」が、商用サービスを始められるだけの衛星数に到達したと、The Vergeが2026年7月2日に報じました。直近の打ち上げで低軌道に展開した衛星は396基となり、Amazon Leoの事業・製品担当バイスプレジデントであるChris Weber氏は「初期の緯度帯で継続的なサービスを支えるのに十分な数」だと説明しています。Starlinkの独走が続いてきた衛星ブロードバンド市場に、ようやく本命の対抗馬が現れようとしています。
「2026年半ば」の商用提供目標に沿って前進
Amazon Leoは、旧称「Project Kuiper」として知られてきたAmazonの低軌道衛星インターネット計画です。The Vergeによると、今回の396基という数字によって、同社が掲げてきた「2026年半ば」の商用提供開始という目標に沿ったペースを保っているとのことです。
衛星インターネットは、地上の光回線が届きにくい山間部や離島、災害時の代替回線として需要が伸びており、先行するStarlinkは既に生活インフラの一角を占めつつあります。Amazonがそこへ本格参入することで、価格やサービス面の競争が生まれることが期待されます。

The Verge報道の数値をもとに作成した比較図
初日から完璧を期待してはいけない理由
一方でThe Vergeは、初期ユーザーは期待値を調整すべきだと指摘しています。参考になるのがStarlinkの歩みです。SpaceXは2020年、約900基の衛星で「Better than nothing beta(何もないよりマシなベータ)」と自嘲気味に名付けたサービスを開始しました。当初は米国北部とカナダの限られた地域が対象で、通信速度は50Mbpsから150Mbps、遅延は20msから40ms。頻繁な通信断や、障害物への敏感さに対する不満も聞かれました。
Amazon Leoの初期ユーザーも、当面は同じような体験になるとみられます。今後の打ち上げが進むにつれて、性能と容量、そして提供エリアが段階的に改善されていく見通しです。
10,000基超のStarlinkとの差は歴然
比較対象となるStarlinkは現在、10,000基を超える衛星を運用し、160カ国以上で陸海空をカバーしています。性能はアンテナの種類や契約プラン、時間帯や場所によって変わるものの、ダウンロードの中央値は200Mbps、アップロードは10Mbpsから40Mbps、遅延は25ms前後に達しています。
Amazon Leoの計画総数は3,232基で、これをすべて打ち上げてもStarlinkの現在の規模の3分の1程度です。同等の性能を主張できるようになるまでには、まだ何年もかかるでしょう。さらに計画は遅れ気味で、その一因はJeff Bezos氏率いるBlue Originの再利用型ロケット「New Glenn」の定常運用に手間取っていることにあります。
AWSとの連携が差別化の鍵に
それでもAmazonには、Starlinkにはない強みがあります。世界最大級のクラウドであるAWSとの統合です。衛星回線をAWSのネットワークやエッジサービスと直結できれば、遠隔地の産業設備や船舶・航空機のデータをクラウドへ流し込む企業向けユースケースで独自の価値を出せます。ECやPrime Videoといった自社サービスとのバンドルも考えられます。
コンシューマー向けの速度競争では当面Starlinkに分がありますが、企業向けの回線として見た場合の評価軸は別にあるということです。
通信の選択肢が増える意味
日本を含む各国でサービスがいつ始まるかはまだ分かりませんが、衛星ブロードバンドが一社独占から競争市場へ変わる意義は大きいものがあります。リモートワークの拠点選びや、僻地でのIoT展開、災害対策の回線冗長化など、「どこでもつながる」ことを前提にできる場面は着実に増えていきます。2026年後半、Amazon Leoが実際にどんな価格と性能で登場するのか、注目しておきたいところです。
Amazon has enough satellites to launch its Starlink competitor
Starlink launched with twice as many and still had problems.