MF Blogs 便利ツール
白背景に描かれた青とオレンジのグラデーションのアーチ型アイコン

記事

Google Antigravity、Gemini 3.7 Flashで数学の未解決問題を解決——マルチエージェント連携を強化

Googleは公式ブログで、開発者向けエージェント基盤「Google Antigravity」のTeamwork機能をGemini 3.7 Flashと組み合わせ、数学の未解決問題やCPUシミュレーター開発、OSS最適化で成果を上げたと発表しました。

0:00 0:00

Googleは、開発者向けエージェント基盤「Google Antigravity」のマルチエージェント機能「Teamwork」をGemini 3.7 Flashと組み合わせた結果、数学の未解決問題や複雑なシステム開発で成果を上げたと公式ブログで発表しました。長時間にわたって複数のAIエージェントが協調・批評・改善を繰り返す枠組みが、研究や開発の現場でどこまで通用するかを示す事例です。

Teamwork機能をアップデート、Geminiと組み合わせ

Google Antigravityには、自律的なAIエージェントのチームが数時間から数日かけて連携し、複雑で長期にわたる課題に取り組む「Teamwork」というフレームワークが備わっています。Googleは今回、このTeamworkに複数のアップデートを加えた上でGemini 3.7 Flashと組み合わせ、研究や開発領域における問題解決を加速させたと説明しています。エージェント同士が互いの成果を批評し、反復的に改善していくプロセスを長時間続けられる点が、今回の成果を支えた要因だとしています。

白背景に描かれた青とオレンジのグラデーションのアーチ型アイコン「Google Antigravity」

画像引用元: Google Blog

数学とCS分野で7つの未解決問題を解決

数学と理論計算機科学の分野では、FOCSJMLRといった主要な学会・論文誌に関わる7つの未解決問題を解決したとしています。中でも、Leanを用いて40ページを超える証明で検証したという「Knuthのサイクル予想」の解決が目を引きます。ほかにもスパース凸最適化、証明可能なLLM量子化、prefix-matrix分解といった問題に取り組み、AIの推論能力を評価するベンチマーク「TCSBench」では71%のスコアを達成したとしています。人間の研究者でも時間を要する領域で、複数エージェントの長時間にわたる協調作業が結果を出した形です。

RISC-VシミュレーターやOSS最適化にも成果

システムエンジニアリングの分野では、ゼロからサイクル精度のアウトオブオーダーRISC-V CPUシミュレーターを構築し、xv6オペレーティングシステムをシェルの起動まで実行させることに成功したといいます。実機との比較でサイクル精度の誤差は0.71%に収まったとしており、ハードウェアの挙動を精密に再現できていることを示しています。オープンソースソフトウェアの分野でも成果があり、行列演算ライブラリ「Eigen」へのSIMD高速化パスや、「ParlayHash」への挿入スループット2倍・メモリ使用量25%削減といった最適化を、それぞれの本流リポジトリへ実際に取り込ませたとしています。

  • 数学・理論計算機科学の未解決問題を7件解決、TCSBenchで71%を達成
  • Leanによる40ページ超の証明でKnuthのサイクル予想を検証
  • ゼロから構築したRISC-V CPUシミュレーターがxv6の起動に成功、誤差0.71%
  • EigenのSIMD高速化やParlayHashの性能改善をOSS本流に反映

長期タスクを任せられるエージェントへ

Googleはブログの中で、詳しい成果の一覧を「Antigravityブログ」で紹介するとしており、今回の発表はTeamwork機能の実力を示すショーケースという位置づけです。数時間から数日という長い時間軸でエージェントに考えさせ、互いに検証させ合うアプローチは、単発の質問応答では届かない難易度の課題にも対応できる可能性を示しています。開発者にとっては、コードレビューやリファクタリングといった日常的な作業だけでなく、性能最適化やアルゴリズム設計のような難度の高いタスクをエージェントチームに任せる選択肢が、これまで以上に現実味を帯びてきたと言えそうです。