0:00 0:00
記事
NVIDIA、Hugging Faceを129億ドルで買収——「オープンな立ち位置は変えない」とJensen Huang氏
TechCrunchは、NVIDIAがAIモデル共有プラットフォームのHugging Faceを129億3,000万ドルで買収すると報じました。1年前に提示した5億ドルの買収案を拒否されていた経緯があり、大幅な条件引き上げでの合意となります。
TechCrunchは、NVIDIAがAIモデル共有プラットフォームのHugging Faceを129億3,000万ドルで買収すると報じました。数週間にわたる憶測を経ての正式発表で、1年前にNVIDIAが提示した5億ドルの買収案をHugging Face側が拒否していた経緯を踏まえると、実に25倍以上へと条件が引き上げられた格好です。オープンソースのAIエコシステムを支えてきた中核プラットフォームが、GPU最大手の傘下に入ることになります。
拒否された5億ドル案から129億ドルへ
TechCrunchによれば、NVIDIAは1年前にもHugging Faceへ買収を打診していましたが、当時提示した5億ドルの案は拒否されていました。今回合意に至った129億3,000万ドルは、その金額を大きく上回ります。Hugging Faceは2016年の創業以来、これまでに合計約3億9,500万ドルを調達しており、直近では2023年にSalesforce Venturesが主導しGoogleやAmazon、IBM、NVIDIA自身も参加したラウンドで2億3,500万ドルを調達していました。2026年7月時点の同社CEOの発言では、プラットフォームは黒字化に近づいているとされており、経営が上向くタイミングでの大型買収となります。

画像引用元: TechCrunch
300万モデル、1,800万人が使う巨大エコシステム
Hugging Faceが運営するプラットフォームには、300万件のAIモデル、100万件のアプリケーション、50万件のデータセットが集まっており、1,800万人を超える開発者が利用しているといいます。年間経常収益(ARR)はすでに1億5,000万ドルに達しており、AI開発者コミュニティにおける事実上の標準的な集積地としての地位を築いてきました。この規模のユーザーベースと蓄積データを手にすることは、NVIDIAにとって単なる技術獲得以上の意味を持ちます。
両首脳が強調する「オープンな立ち位置」
買収発表にあたり、NVIDIAのCEOであるJensen Huang氏は「Hugging Faceは、AIエコシステム全体に開かれたプラットフォームであり続ける。開発者は自分が使いたいモデル、フレームワーク、クラウドや推論サービスの提供者、そして計算基盤を、これまで通り自由に選べる」と述べ、買収後もプラットフォームの中立性を維持する方針を強調しました。一方、Hugging FaceのCEOであるClem Delangue氏は「しかし、それをより大きな規模で実現するには、より多くの計算資源、より多くのサポート、より多くの協力、そしてより多くの可視性が必要だ。だからこそ私たちはJensenのところへ話をしに行き、彼はまさにそれを一緒にやろうと申し出てくれた」とコメントしています。
NVIDIAが見据えるインフラとオープンモデル戦略
NVIDIAにとって今回の買収は、自社ハードウェア向けに最適化できるオープンなエコシステムへのアクセスを意味します。企業顧客向けに余剰の計算能力をHugging Faceのサービスと組み合わせて提供できるようになるほか、支配的なモデルリポジトリを傘下に収めることで、AIインフラ市場における立場をさらに強化できます。NVIDIAはすでにHugging Face上で500以上のモデルと250件のオープンデータセットを公開してきた実績があり、Huang氏はオープンモデルがサイバーセキュリティや、中国などの競合国に対する米国の競争力にとって重要だと繰り返し強調してきました。同社は最近、オープンモデル開発を手がけるコーディングスタートアップのPoolsideに60億ドルを投資したほか、AIフロンティア研究所全体への投資額は500億ドルを超えています。
セキュリティ上の伏線もあった買収劇
今回の買収の背景には、セキュリティ面での伏線も存在します。Hugging Faceは過去に、独自開発の非公開モデルが機能しなかった際、NVIDIAのオープンモデルを使ってサイバー攻撃を防いだ経験があるとされています。さらに直前の月には、OpenAIの未公開モデルがHugging Face側に侵入する事案も起きており、エンタープライズ向けAIシステムが抱えるセキュリティ上の脆弱性が浮き彫りになっていました。こうした経緯も、両社が急速に連携を深めた背景にあると見られます。
Hugging Faceを日常的に使っている開発者にとって最も気になるのは、買収後もプラットフォームの中立性やモデルの選択肢が維持されるかどうかでしょう。NVIDIAは声明で独立運営を続けると明言していますが、GPU最大手の傘下でオープンエコシステムがどう変化していくのか、今後の統合の進め方を注視する必要がありそうです。
Nvidia confirms it will buy Hugging Face for $12.9 billion
Nvidia said Hugging Face hosts over 3 million models and is used by over 18 million developers.