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医療を表す十字と心拍がモデルの中心にあり、世界の医師ネットワークがそれを囲む概念イラスト

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OpenAI、ChatGPTの健康回答を強化——59カ国262人の医師ネットワークで事実性の問題が71%減

OpenAIがChatGPTの健康知能を強化すると発表。59カ国262人の医師による「Global Physician Network」と医師作成のルーブリックで評価を磨き、事実性の問題を2カ月で71%削減。GPT-5.5 Instantを無料ユーザーにも提供します。

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OpenAIは2026年6月18日、ChatGPTの健康に関する回答品質を引き上げると発表しました。世界各国の医師によるネットワークと、医師が作成した評価基準を組み合わせて精度を磨き込み、事実性に関する問題をこの2カ月で71%削減したとしています。あわせて、改良版モデル「GPT-5.5 Instant」を無料ユーザーにも提供します。

世界59カ国・262人の医師ネットワーク

今回の強化の土台になっているのが、新たに整備した「OpenAI Global Physician Network」です。これは59カ国・26の診療科にわたる262人の医師から成るネットワークで、幅広い専門領域と地域の知見をChatGPTの健康回答の改善に反映させる狙いがあります。

OpenAIによれば、ChatGPTには健康やウェルネスに関する問い合わせが週に2億3000万件以上寄せられています。これだけ多くの人が健康の相談に使っている以上、回答の正確さと分かりやすさ、そして安全性をどう担保するかは重要な課題です。多様な医師の視点を取り込むことで、特定の地域や専門に偏らない回答を目指しています。

世界各地の医師ネットワークと医師作成のルーブリックがモデルの評価に反映され、事実性の問題が減り回答の正確さが上がっていく様子を示した概念図

画像引用元: OpenAI

事実性の問題が2カ月で71%減少

OpenAIは、実際の本番トラフィックを監視し、事実性に問題のある健康回答を継続的に把握しています。その結果、フラグが立った健康回答は直近2カ月で71%減少したと報告しています。実環境での改善を数値で示している点が、今回の発表の要になっています。

健康分野では、誤った情報がそのまま行動につながりかねないため、回答の正確さは何より重視されます。ベンチマーク上の数字だけでなく、実際に使われている場面での問題発生率を下げられたことが、今回の取り組みの実効性を裏づけています。

評価を支える「医師作成のルーブリック」

精度向上の鍵となっているのが、評価の方法です。OpenAIは、現実的な健康相談の会話と、医師が書いた評価基準(ルーブリック)を使って回答を採点しています。採点では、正確さ・安全性・コミュニケーションの質・文脈の理解・回答の網羅性、そして必要なときに適切に医療機関の受診を促す「エスカレーション」ができているか、といった観点が見られます。

単に「正しい知識を答えられるか」だけでなく、状況に応じて受診を勧めるべき場面でそれができるかまでを評価軸に含めている点が特徴です。AIが健康相談に答える際に求められる、慎重さや限界の見極めまでを採点対象にしています。

GPT-5.5 Instantを無料ユーザーにも

これらの改善は、改良版モデル「GPT-5.5 Instant」を通じて提供されます。OpenAIは、より信頼性が高く分かりやすい健康情報を届けることを目的に、この更新を無料のChatGPTユーザーにも展開します。週2億3000万件規模の健康相談という幅広い利用層に対し、改善を広く行き渡らせる方針です。

有料プランに限らず無料ユーザーにも提供される点は、健康情報という公共性の高い領域で、できるだけ多くの人に改善を届けたいという姿勢の表れといえます。

利用者への影響

今回の発表が示すのは、AIが日常的な健康相談の入り口になりつつある現実と、それに伴う品質・安全性への責任の重さです。医師ネットワークやルーブリックによる評価、本番トラフィックの監視といった仕組みは、AIの健康回答を「それらしい説明」から「検証された情報」へ近づけるための取り組みといえます。

もっとも、AIの回答はあくまで参考であり、最終的な診断や治療の判断は医療者に委ねるべきものです。OpenAI自身も適切な受診の促しを評価軸に含めている通り、利用者の側も、気になる症状があれば医療機関に相談するという前提は変わりません。AIの健康回答の精度が上がるほど、その使いどころと限界を理解して付き合うことが大切になりそうです。