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ステージで握手するNVIDIA CEOとDell CEO

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NVIDIA、Dell Technologies Worldで「Dell AI Factory」最新版を披露。Vera Rubin NVL72ベースのPowerEdgeを発表

NVIDIA CEOのジェンスン・フアン氏は2026年5月18日、Dell Technologies WorldでマイケルDell氏とともに「Dell AI Factory with NVIDIA」の刷新を発表しました。NVIDIA Vera Rubin NVL72を搭載した「Dell PowerEdge XE9812」は、Blackwell比でトークンあたり最大10分の1のコストを主張し、Vera CPUを採用したPowerEdge M9822/R9822も投入されます。

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NVIDIAのCEOジェンスン・フアン氏は2026年5月18日、Dell Technologies Worldの基調講演にDell CEOマイケル・Dell氏とともに登壇し、エージェント型AIと推論ワークロードに向けた「Dell AI Factory with NVIDIA」の最新版を発表しました。デスクサイドのDell Pro Max with GB10から、データセンター向けのフルラック「Dell PowerRack」まで、フルスタックで提供する構成です。

ステージで握手するジェンスン・フアン氏とマイケル・Dell氏

画像引用元: NVIDIA Blog

「Vera Rubin NVL72」を搭載した新型PowerEdge

刷新の中心は、新しい「Dell PowerEdge XE9812」です。NVIDIAのVera Rubin NVL72を搭載し、大規模なエージェント型AI推論ワークロードでBlackwell比のトークンあたりコストを最大10分の1に下げるとしています。

合わせて、NVIDIA HGX Rubin NVL8をベースにした「PowerEdge XE9880L」「XE9885L」「XE9882L」もラインアップに加わりました。ラックあたり最大144GPUを搭載でき、コンピュートノードはすべて直接液冷で構成されます。NVIDIAは、HGX B200と比べて最大10倍の性能を主張しています。ネットワーク側も刷新され、NVIDIA Quantum-X800 InfiniBandNVIDIA Spectrum-6 Ethernetを採用した新しいDell PowerSwitch群と、コンピュート・ネットワーク・ストレージを統合設計した「Dell PowerRack」が投入されます。

CPU側はVeraを採用したPowerEdge M9822/R9822

CPU側では、NVIDIAが「エージェント型AIのために設計した」初の自社CPU「Vera」を搭載した「Dell PowerEdge M9822」「R9822」が登場します。データパイプライン、分析、サンドボックス化されたツール実行、コードワークロードなど、ステップごとに前の結果を待つエージェント特有の処理に向いた構成です。

NVIDIAによれば、Veraは1.2TB/sのメモリ帯域を持ち、x86系プロセッサと比べてエージェント型ワークロードを50%高速に処理できるとしています。フアン氏は基調講演で「Vera CPUは世界で最も高いシングルスレッド性能を持つCPU」と発言し、StarburstやDuckDBといったデータエンジンの応答性が大きく改善する点を強調しました。実際、新しいStarburstはVera CPU上で大規模SQL分析のクエリスループットが3倍になると案内されています。Veraについての位置づけや出荷状況は、本サイトのVera CPU出荷開始記事でも整理しています。

オンプレ志向と「Confidential Computing」

注目すべきは、AIワークロードの導入先がクラウド一辺倒ではないことを示すデータが基調講演で示された点です。Dell独自の調査では、AIワークロードの67%がすでにクラウド外(オンプレミス、デバイス、エッジ、コロケーション)で動いており、回答者の88%が少なくとも1つのAIワークロードをオンプレで動かしているとしています。

NVIDIAは、機密性の高いモデルとデータを保護したままオンプレでフロンティアモデルを動かす仕組みとして「NVIDIA Confidential Computing」を提示しました。FortanixGoogleRed Hatなどのパートナーと組み合わせ、モデルIPやデータを使用中も守る構成です。

顧客事例:Lilly、Honeywell、Hudson River Trading

基調講演ではDell AI Factory with NVIDIAの導入事例も紹介されました。

  • Lilly: EVP兼CIDOのディオゴ・ラウ氏が登壇し、AI主導でライフサイエンスのイノベーションを加速していると説明
  • Samsung: R&Dや半導体設計、製造のワークロードで活用
  • Honeywell: CTOのスレシュ・ヴェンカタラヤル氏が、パブリッククラウドからオンプレへの移行と、産業AI・デジタルツインへの適用を解説
  • Hudson River Trading: PowerEdge XE9685LとNVIDIA Spectrum-X Ethernetを使ったAI研究の規模拡大

いずれも「オンプレで動くAIインフラ」を共通の前提に置いた採用例です。

まとめ:エージェント時代のフルスタック競争

今回のDell Technologies WorldでのDell AI Factory刷新は、AIインフラの軸が単発のGPU性能ではなく、CPU・GPU・ネットワーク・電力・冷却・ソフトウェアを一体で設計する「フルスタック」へと移っていることを示しています。フアン氏は「需要は放物線的に増えている」と表現し、エンタープライズAIがパイロットから本番のエージェント・推論展開へ移行した認識を示しました。

オンプレ志向のデータと、Confidential Computingによるモデル保護の組み合わせは、生成AIをエンタープライズ環境で本格運用する際の論点を端的に表しています。同様にエージェント基盤に投資するGoogleや他社の動きと合わせて、ハードウェアとモデルの両側からエージェント時代のインフラ競争が加速している局面です。